診療技術部門
放射線科
安心して検査が受けられる環境作りを心がけています。
放射線科について
概 要
診断や治療に役立ち、判り易い画像を提供します。
当院の放射線関連機器は、MRI:1台、CT:1台、一般撮影装置:1台、透視装置:1台、骨密度測定装置:1台、手術室用透視装置:1台、回診用撮影装置:2台 があります。
当科では医師の依頼のもと、さまざまな装置を用いて撮影し画像情報を提供しています。また撮影するだけでなく、スタッフ全員が診断や治療に役立ち更に患者さんに説明しやすい画像の作成を心掛けています。
ほかに、手術室などで透視装置を操作し、医師の診断や治療のサポートを行いスタッフ一同、様々な検査に対応できる様、日々技術の研鑽に励んでいます。患者さんの不安を軽減できる様、各種検査の判りやすい説明を常に心掛けています。
また、近隣の医療機関さまからの画像検査のご依頼にも対応しております。
一般撮影
一般撮影について
エックス線を人体にあてて、その透過光を画像化する検査です。
レントゲン写真のことを、一般撮影といいます。被爆量も少なく、手軽に撮影できるので、最もポピュラーな撮影と言えます。
原理は、普通みなさんがお使いのカメラと同じと考えてください。
ただし、普通のカメラは可視光線(光)を使うのに対し、一般撮影は放射線(X線)を使います。
カメラでは、対象物から反射した光をフィルムに焼付け、画像を得ます。
一般撮影は、対象物にX線を当て、透過したX線の量の違いを利用してフィルムに焼付け、画像を得ます。(例えば、骨はX線を透過しにくいのですが、皮膚は透過しやすいのです)肺や、骨折などの診断によく使われます。
当院のⅩ線撮影装置は、CR装置とFPD装置を用いることにより放射線による被ばくの低減と、目的や部位に応じた画像処理を行うため診断能の高い画像を提供することができます。 また、モニター上で写真を確認することができますので、写真をお渡しする必要がなく、それに伴う待ち時間が軽減されます。
立位撮影台
臥位撮影台
ポータブル撮影
病棟でベッド上安静が必要な患者さんや手術後の患者さんなどエックス線撮影室に移動して撮影できない患者さんや、 交通外傷など救急において、至急撮影が必要な患者さんを対象に移動型のエックス線撮影装置を用いた撮影です。
当院では病棟でのポータブル撮影でFUJIFILM製のFPD(フラットパネルディテクタ)を使用しています。FPDは従来のフィルムに代わるもので低被ばくかつ高画質な画像を得ることができます。
また、新画像処理ソフトウェア「Virtual Grid(バーチャルグリッド)」を使用することで、低被ばくで高画質な写真を撮ることができるようになります。
ポータブル撮影装置 外観
富士フイルムメディカル社製
CALNEO AQRO
フラットパネル
CT検査
CT検査について
エックス線を使って身体の断面を撮影し、体内の様々な病巣を発見する検査です。
放射線(X線)を使って、体の内部の情報を連続的に得て、コンピューターで断面像として表示する機械です。
患者さんを乗せたベットがトンネルの中を潜り抜ける過程で画像が得られ、体を切ることなく、お腹や頭の内部
などを探ることが出来ます。
撮影時間も短く、手軽に多くの情報を得ることが出来るので、よく使われる検査の一つです。
検査例
頭部
胸部
腹部
足部
血管系(造影)
下肢静脈(非造影)
大腸CT検査
大腸CT検査は内視鏡を用いることなく、炭酸ガスで膨らませた大腸をCT装置で撮影し、コンピューター処理によって作成した三次元画像をもとに大腸疾患を調べる検査です。「仮想(バーチャル)大腸内視鏡」や「CTコロノグラフィー」と呼ばれ、内視鏡を挿入する検査と比較して苦痛の少ない検査です。
【検査方法】
大腸の中をきれいにするために下剤、腸管洗浄液、少量の造影剤等の前処置を行います。前日からの腸管洗浄の後、肛門にチューブを挿入します。そのチューブから炭酸ガスをゆっくり注入して、大腸を膨らませてCT撮影をします。CT撮影は、仰向けと腹臥位(うつ伏せ)もしくは側臥位(横向き)のいずれか2回行います。画像を確認後、チューブを抜いて検査は終了となります。
検査に要する時間は30分程度で、炭酸ガスを使用するので大腸のガスは、速やかに吸収・排泄されます。
仮想内視鏡画像
お問い合わせ
※ 人間ドック、市検診に関するお問い合わせは、こちら。
※ 近隣施設からのCT検査の依頼は、こちら。
MRI検査
MRI検査について
放射線を用いず、体の断面像を得ることができる検査です。
CT検査と混同されやすいのですが、こちらは放射線の代わりに高い磁力を用いて撮影しますので、被爆しない事と、一度の撮影で、いろいろな方向からみた断面像を取ることができる事が長所です。
ただし、画像を得るまで時間がかかるので、全体の撮影時間は30分~1時間は見ていただきます。
検査の際は、全身に身に着けている金属のもの(時計や指輪、ヘアピンなど)はできるかぎり外して頂きます(更衣室・鍵付ロッカーを用意しています)。財布なども持ったまま検査されますと、強力な磁場の影響でカードや定期券などが使用できなくなりますのでご注意下さい。
また、心臓にペースメーカーを使用していらっしゃる方は検査できません。脳外科・整形外科手術等で金属物質などを体内に使用している方は、予め担当医にご報告をお願いします。場合によっては検査ができないことがあります。
キャノンメディカルシステムズ社製 Vantage Titan 1.5T
検査例
頭部
頚椎
腰椎
上腹部
前立腺
膝関節
骨盤部
運転従事者の皆様へ…
運転従事者脳MRI健診
当院は、「運転従事者脳MRI健診支援機構」提携医療機関です。
当院は、運転従事者脳MRI健診支援機構認定医療機関として登録されています。
同機構が推奨する商業用自動車による重大な交通事故の一因である脳疾患の予知予防の対策としての脳MRI健診を受け入れ、運転従事者の健康と交通安全を支援していきます。
日曜日や休日、平日も検査を行うことができますので、是非ご活用下さい。
詳しくは、こちらへ
お問い合わせ
※ 人間ドック・脳ドック、市検診に関するお問い合わせは、こちら。
※ 近隣施設からのMRI検査の依頼は、こちら。
乳腺検査
マンモグラフィ(乳腺検査)について
新型乳房撮影装置を導入しました。
当院では、令和元年10月より新しいデジタル化時代のマンモグラフィ撮影装置として
FUJIFILM社製 AMULET Innovality を導入いたしました。
① 受診者様の気持ちに寄り添い、圧迫自動減圧制御(Comfort Comp)
~ なごむね ~ のソフトウェアを導入しております。
やさしい圧迫 (なごむね)機能 |
圧迫板は、FUJIFILM社独自のもので圧迫板がわずかにしなることで乳房全体にフィットし圧力が分散され乳房をやさしく包み込む工夫がされています。 また、通常の乳房圧迫完了後に乳房の厚みが変化しない範囲(±3mm)で圧迫圧を減圧する機能も備えております。 |
低被ばく | 画像処理技術により、約30%の放射線量の低減が可能になりました。被ばく線量の大幅な低減で安全な検査を提供致します。 |
高画質 | 従来の装置より、高精細な画像が描出できるようになり乳がんのサインである微小石灰化がより見やすくなりました。 |
撮影時間の短縮 | 画像診断ワークステーション(マンモグラフィ専用のモニター)も導入した為、撮影した画像をモニター上ですぐに確認できるようになりました。撮影自体は5分程度です。 |
② 50μmの高精細画像を描出。従来比30%※1の低線量撮影を可能に。
直接変換方式FPD最少画素サイズ50μmにより微小石灰化の描出能が向上します。 線質補正を行うISC※2に線量低減と高鮮鋭な画像を両立できるFSCを加える事でさらに30%の線量低減※1しても同等の画質が得られます。
※ 1:富士フイルムメディカル(株)過去画像との比較による40mmPMMA撮影相当。
(45mm乳房厚、50%乳腺、50%脂肪)
※ 2:画像解析に基づいて仮想的にスペクトルを変換する。
マンモグラフィは、乳房(乳腺)のX線検査で、乳腺内の微細な石灰化の描出に優れています。
乳がんの疑いのある所見の特徴は以下に挙げられますが、微細な石灰化はご自身でセルフチェックをされていても気づくことのできない症状の一つです。
(乳がんには石灰化を伴うものと伴わないものがありますが、石灰化を伴うタイプでは、病気が広がるよりもずっと前の段階から検査で石灰化が観察されます。)
乳がんの疑いのある症状
- 乳頭から分泌物(黄褐色~赤)がある
- ただれ
- 骨軟部腫瘍、関節の靱帯損傷、半月板損傷
- 乳房付近のリンパ節の腫大
- 乳頭の変形
- えくぼ状の凹み
- しこり(ご自身で触知できるのは約5mm以上から)
検査の流れ
① 検査着に着替えます。(専用のドレープを羽織ります)② 台の上に乳房を乗せ、プラスチックの板で乳房を挟み圧迫します。
(両側の乳房を上下・斜め方向の2~4枚撮影します。)
③ 画像の確認をします。
④ 以上で終了です。お疲れ様でした。
※撮影自体は5分程度です。(追加撮影を行った場合は別途時間がかかります。)
女性専任により、安心できる乳腺検査を行っております。
女性にとって乳がんは罹患率が高く、早期発見が大切です。当院ではNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の講習を受けている認定技師を含め女性技師のみで対応しております。
常日頃、講習会・勉強会へ参加することで、乳腺専任技師にふさわしい知識と技量を身に着けるよう努力しております。
検査を受けていただくににあたって
痛みには個人差がありますが、多くの方は生理予定日の7~10日、乳房が張って普段に比べて痛みを感じやすい傾向があります。一般に生理が始まって3~5日経過すると、乳房の張りや痛みは軽減します。
そのため検査日を選択できる方は、ご自分の周期に合わせて受診日を決めることをお勧めいたします。
当院の健診では、心臓ペースメーカーを装着されている方・豊胸手術を受けた方・V-Pシャントを挿入されている方は、破損等の恐れがあるため、申し訳ありませんが検査をお受け頂くことができません。妊娠・授乳中の方で検査を受ける場合は、事前にかかりつけの医師にご相談ください。
※ 撮影時に疑問に思ったことがありましたら、スタッフに遠慮なくお尋ねください。
検査の重要性
現在、日本人女性の乳がん発生率が増加傾向にあるにも関わらず、未だに乳がんに対する関心や知識は低いようです。しこりなどの自覚症状が出てから検査を受ける人が多く、発生されたときにはすでに進行している場合が少なくありません。
乳がんの発生は40代後半から50代前半でピークをむかえますが、30代や20代の若い年代の女性にも乳がんが増えてきています。
資料:国立がん研究センター がん対策情報センター(がん登録・統計)
Source: Cancer Information Services, National Cancer Center, Japan
諸外国と比べた日本のがん検診受診率
データ元:OECD HEALTH DATA(extracted on Apr 2016 from OECD.Stat)
米:2012年調査データ、英:2014年事業データ、豪:2012年事業データ
韓:2014年調査データ、日:2013年調査データ
日本の検診受診率は、国際的に低い値となっています。アメリカと比べると約40ポイントも下回っています。医療費の高いアメリカでは、雇用主提供医療保険や公的医療保険の多くでカバーできる予防医療(検診など)をかかりつけ医が勧めており、その結果、高い受診率を保っているものと考えられます。二番目に受診率の高いイギリスでは、国策として組織型検診が実施されています。検診の対象がきちんと明確化され、個人が特定化された名簿に基づいて受診勧奨を行う体制が整っているため、高い受診率を維持できています。
※ 乳がん検診についてはこちら。
透視撮影
透視撮影について
X線を利用して透視や撮影を行う検査です。X線透視することにより、動いている臓器の様子や、造影剤(バリウムなど)の流れ具合などを観察します。
X線TV透視とは、X線で人体の中を透視しながら造影剤(バリウム等)を飲んだり、血管内や関節内などに注射することにより、臓器の位置や形および働きや病変の存在を調べる検査です。おもに胃透視、大腸(注腸)検査を行っており、他診療科が施行する各種の手技などにも使用されます。
X線TV装置(日立ヘルスケアシステムズ社製 POPULUS So)
検査例
お問い合わせ
※ 人間ドック、市検診の胃バリウム検査に関するお問い合わせは、こちら。
骨密度(DEXA)検査
骨密度(DEXA)検査について
おもに「骨の丈夫さ」を調べる検査です。
骨塩(骨密度)とは、骨を構成しているカルシウムがどの程度あるかという単位面積あたりの骨量を示し、骨の強度を表しています。主に骨粗鬆症を疑われる方に行われる検査です。DEXA(Dual-Energy X-ray Absorptiometry)法と呼ばれる、エネルギーピークの異なる2種類のX線を用いて、軟部組織および骨における、減弱の割合の差から骨塩(骨密度)を算出します。
当院では、骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインに沿って、腰椎と大腿骨近位部の両者を測定しています。検査時間は5分~10分程度です。
検査レポート例
体組成分析測定
骨密度測定装置は、骨粗鬆症の診断や治療効果の評価に多く用いられてきましたが、最近では、体組成(骨・筋肉・脂肪)測定に応用されています。DXEA法では、骨密度だけでなく脂肪や筋肉といった軟部組織の測定も可能であり、最近では整形外科での診療以外にも、幅広い分野に応用されています。
例えば、シーズンオンとオフで身体に変化があるスポーツ選手に対して、コンディションを見るために体組成を測定したりします。また、骨粗鬆症だけでなく、加齢による運動障害に対して骨や筋肉、脂肪の状態を評価するため、経過観察にも用いられるようになってきています。
検査レポート例
お問い合わせ
手術室
シャント造影検査
シャントとは、血液透析を行うため、腕の動脈・静脈をある部分でつなぎ合わせることです。血栓などで腕の血管が狭くなると血液透析に支障をきたします。
この場合もバルーン(風船)を膨らませることで血管を拡げます。透視で血管を観察しながらの検査・治療です。
術中外科用イメージ装置 GE社製 OEC9900 Elite standard-C9)
検査例
下肢静脈瘤治療
下肢静脈瘤治療とは・・・
下肢静脈には筋肉の中を走る「深部静脈」と皮膚と筋肉の間を走る「表在静脈」があり、静脈瘤ができるのは皮膚に近い伏在静脈と呼ばれる表在静脈です。
下肢の静脈には血液が重力によって足先へ逆流しないように弁がついていますが、それらの弁が壊れると血液の逆流が起こり、うっ血が生じて血管の拡張や蛇行することによりコブができます。また、浮腫、こむら返り、だるさ といった症状があります。これが下肢静脈瘤です。
下肢静脈瘤血管内焼灼術
下肢静脈瘤血管内焼灼術とは、逆流のある伏在静脈内に極細のカテーテルを入れて、血管内の壁を熱で焼き、閉塞させる手術です。ボコボコとした伏在型静脈瘤の治療法となります。閉塞して血液が流れなくなった静脈は、数ヶ月かけて繊維化した後、体組織に吸収されます。従来のストリッピング手術①と同じ効果が得られるうえ、出血などのリスクが少なく、メリットの多い治療法です。
ストリッピング術・・・傷んだ伏在静脈内にワイヤー(ストリッパー)を挿入し静脈を抜き去り取り除く手術。
「日帰り」または「入院」での治療となります
お問い合わせ
下肢静脈瘤に対する治療・検査のお問い合わせは、
「血管外科・下肢静脈瘤外来」まで お願い致します。