睡眠時無呼吸症候群検査と治療について：セントマーガレット病院/千葉県八千代市/勝田台医療・健診・入院・療養・透析・介護/ISO取得

診療技術部門

睡眠時無呼吸症候群検査と治療について

睡眠不足や睡眠障害が関与したとされる事故や災害

交通事故のニュースとともに、睡眠時無呼吸症候群（SAS：Sleep Apnea Syndrome）という病名を耳にする機会が多くありませんか？いまや国民病となってきています。

2014年3月3日に北陸自動車道サービスエリア内で発生した高速バスの衝突死傷事故（運転手は37歳、ほか乗客1名死亡）や、2003年に発生した山陽新幹線居眠り運転（運転士は33歳）では、時速260km/hで約8分間、距離にして約26km走行した事例が報告されております。また、海外では、スペースシャトルチャレンジャー号爆発事故、チェルノブイリ原発事故など、睡眠時無呼吸症候群が関与したとされる事故や災害も報告されております。

睡眠時無呼吸症候群の検査について

朝起きたとき、眠り足りない、頭が痛い、喉が異常に乾く、喉が痛い。日中強い眠気があり、会議や授業中に居眠りをしてしまったり、車の運転中に信号や踏切待ちで居眠りしてしまうことがある。または、イビキがうるさい、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことはありませんか？

このような症状がある場合は、睡眠自己チェック（ESS：Epworth Sleepiness Scale）を実施してみてください。
以下の8つの状況で、「うとうと」したり、「眠り込んでしまう」ことがどれくらいあるか、点数を付けてください。

点数の付け方

居眠りすることはない	０点
たまに居眠りしてしまう	１点
ときどき居眠りしてしまう	２点
居眠りしてしまうことが多い	３点

状況居眠りの頻度

座って読書しているとき
テレビを見ているとき
公の場で座って何もしないとき（観劇や会議など）
1時間続けて車に乗せてもらっているとき
状況が許す場合で、午後に横になって休憩するとき
座って人と話しているとき
アルコールを飲まずに昼食をとった後、静かに座っているとき
車を運転中、交通渋滞で2～3分停止しているとき

点数の合計が、
1～4点は、十分な睡眠がとれています。
5～10点は、平均的な点数です。
11点以上の場合で眠気が強い場合は、受診し検査を受けることをおすすめします。

検査

簡易検査と精密検査があります。簡易検査は、簡単な説明を受けていただき、ご自宅で行うことが可能です。（必要に応じて入院検査も可能です。）血液中の酸素濃度（動脈血酸素飽和度）や無呼吸の状況を記録し、評価します。
精密検査は、入院検査が必要となります。精密検査では脳波や心電図、酸素濃度、呼吸状態、足のムズムズ症状まで検査が可能です。

どちらの検査でも指数として用いられるのが、無呼吸、低呼吸係数AHIです。簡易検査で、AHIが40以上、精密検査では20以上の場合、治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の治療について

治療には、いくつかの選択肢があります。睡眠により気道が閉塞してしまい呼吸が出来なくなった状態を閉塞型睡眠時無呼吸症候群（一番多いケース：約95％）といいます。

この治療には、CPAP（シーパップ）を使用します。CPAPとは、鼻（鼻・口）にマスクを当て、装置をホースで繋なぎます。装置から空気が送られ狭くなった気道を開通させる方法です。開通させるために必要な圧力は、装置が自動調整しますので、患者さんはマスクを着けていただき、装置の電源を入れていただくだけで結構です。
精密検査の結果から閉塞型以外の無呼吸症候群が見つかった場合は、ほかの治療法を検討します。